死霊院 世界で最も呪われた事件 映画ネタバレ感想

注意! ネタバレあり〼

原題:THE CRUCIFIXION 意味:はりつけ

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出ました “同じ邦題シリーズ” 。「最も呪われた」シリーズです。

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ルーマニアで悪魔祓いの末に少女が死亡。
悪魔祓いに関わった神父や修道女たちが殺人罪で逮捕された、という実話を元にした映画。

田園風景の中の古く美しい教会美術と、凄惨な色彩の悪魔祓いのシーンが見事にマッチして美しい。

悪魔憑きだと判断して悪魔祓いをした神父。
精神病による幻覚として悪魔祓いを中止させた司教。

どちらも悪くない。
悪魔祓いを日常的に受け入れているという宗教観、共産党政権が崩壊してから急激に増えた教会数に神父の育成が追い付かなかったという国の背景。
この映画ではそれらに理解を示し、どちらかを断罪する意図をはっきりと否定して、どちらも善い人として描かれている。

とは言えホラー映画なので、今回は悪魔は憑いている前提。

宗教そのものに対して敵意剥き出しの女性ジャーナリストが主人公。
自分の意見ゴリ押しで、人の話を聞かない極端に “ダメな否定派” のステレオタイプ。

そんな女性ジャーナリストを助けてくれる小さな村の若い司祭が、イケメンで壮健でフェロモンがど凄い。

女性ジャーナリストがイロイロ妄想してしまうのもやむなし。

ここで女性は、『聖職者相手に私ったら地獄行きねフフ』とか思います。
このわずかな罪悪感に悪魔はつけ込んでくるのです。恐るべし悪魔。

そうとは知らず、そんな些細な罪悪感には目もくれず、女性ジャーナリストは死亡した少女の親友に話を聞きに行きます。

その話の中で回想される、少女と親友が久しぶりに再会するシーンがスゴク可愛い。

少女二人は笑顔で名前を叫びながら両手を広げて走り寄り、飛びつくように抱き合う。
若い女の子はこういうことするなぁ、としみじみ可愛らしい。
手をつないだり、腕組んで下校したりするなぁ。

そんな可愛らしい少女も、悪魔が付け入る罪悪感を持っている。
純真さゆえの罪悪感。切ない。


女性ジャーナリストは、ポルターガイストに遭ったり亡霊が叫んできたり、いよいよ現実的な恐怖を感じ始める。

が!

そんな目に遭いながらも、平気でホテルの部屋で一人きり風呂に入る神経よ。

案の定、停電してまた恐怖体験。

何故なのかホラー映画。野暮とは知りつつツッコミは忘れない。

しかしそれだけではなく、意味ありげな小道具や人の視線、不気味な言動の少年など、 不安感をあおり続ける静かな描写を多用し、ドカーン!バーン!ギャー!的な力技だけではない、丁寧な恐怖感の演出も素晴らしい。

さて、いよいよ女性ジャーナリストが悪魔にとり憑かれて、叩き付けられたり宙づりにされたりする時、室内にもかかわらず雨が降る。
聖水を使わせないための悪魔の仕業という。

逆に神の存在を確信させてしまうという矛盾をはらむ悪魔の所業。

イケメン司祭の悪魔祓いによって、悪魔に打ち克つ女性ジャーナリスト。

降っていた雨粒がゆっくりと逆流して、天井へと吸い込まれていく幻想的なスローモーションの世界の中で、司祭と女性は抱きしめ合う。美しい映像。

監督が最初に撮りたいと思った映像がこれなのかな、と思わせるほどに印象的な映像だった。


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本作品の配信情報は2019年11月28日時点のものです。
最新の配信状況についてはホームページをご確認ください。

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監督:ザヴィエ・ジャン
脚本:チャド・ヘイズ / ケイリー・W・ヘイズ
撮影:ダニエル・アラーニョ
音楽:デビッド・ジュリアン
製作年:2017年 / アメリカ・イギリス・ルーマニア