夢中さ、きみに。【マンガ】

注意! ネタバレあり〼

ツイッターや pixiv で噂になっていた話題の作品たちがついにコミックス化。

2019年8月10日に発売して、2019年10月30日現在、4刷までになっています。

林くんという高校生をめぐるお話数話と、二階堂くんという高校生をめぐるお話数話が収録されています。

作中、二階堂くんは「伊藤潤二の漫画に出てたよね?」と尋ねられます。

私はすぐさま「双一くん」を思い出したのですが、漫画を読まない二階堂くんは「いとうじゅんじ」で検索をかけてどんな漫画かを知り、ショックを受けていました。

ぐるぐるうず巻いてショックを受けていたので、二階堂くんは「うずまき」を見たのでしょう。

しかし「夢中さ、きみに。」は決してホラーでもエロでもグロでもなく、コメディです。

独特の空気感と独特の間と独特の絵柄が、じっとりとまとわりつくような笑いを生み、一種ただならぬ色気をまとって迫ってきます。

読んだ側に様々なあれやこれやを想像させる「余白」が絶妙であり、人を惹きつける「画力」が素晴らしい魅力的な作家さんです。

こういうメジャーなところから本が出版されないと、多くの人の目にとまるのは今もってなかなか難しい世の中ですが、ネットで話題になって広まったという、この時代の良さをリアルタイムに享受できる、素晴らしい経験をくれた一冊です。