ルパン三世 実写版 映画ネタバレ感想

注意! ネタバレあり〼

©2014 モンキー・パンチ/「ルパン三世」製作委員会

とてもマンガ然とした映画で、ルパン三世へのリスペクトを随所に感じる良い作品だった。

物語は、ルパンと次元がまだ相棒にはなっていないところから。

彼らは窃盗集団「ザ・ワークス」に所属していた。

そのザ・ワークスのボスであり、敬愛するトーマス・ドーソン老が、仲間のマイケルの裏切りによって殺されてしまう。

マイケルは不二子とただならぬ因縁を持ち、ドーソン自身も彼を信頼し、ルパンと共に手を組めば素晴らしい仕事が出来ると期待していた男。

ドーソンの仇を討ち、事件の真相をさぐるため、ルパンと次元は相棒になる

やがて闇社会の大物の存在が明らかになり、ボスドーソンの願った通り、 敵対していたルパンとマイケルは手を組み、鮮やかな手際でお宝に迫る

さすが北村龍平監督、アクションの魅せ方が素晴らしい。

どのシーンも全てマンガ然として、衣装や髪形なんかは実にマンガっぽい

セリフや表情、しぐさ、どこをとってもルパンへのリスペクトが溢れていて、それぞれのキャラクターに見せ場がキッチリと作られている。
実によく練られた脚本である。

この映画では、ルパンと銭形警部や、次元と五右衛門も初対面という設定。

「ルパン三世」という作品は、日本・イタリア・タイなどなど、世界中を舞台にしている。
それは無国籍というモノでは決してなく、誰もがあらゆる国のあらゆる言語を、実にスマートに当たり前に行き来する世界だ。

この映画でも、その世界観を表現するべく工夫が凝らされている。

外国語を喋っている口元の動きに、日本語の吹き替え。
日本語を喋っている口元の動きにも、日本語の吹き替え。

吹き替えの効果が本当に素晴らしく、聞こえてくるのは全て日本語でも、視覚的に口の動きと合わず、無意識裡に異国感を与え、現実感からは絶妙に乖離していく。

これにより、ド派手なカーアクションや戦闘シーンはもちろん、普通のセリフ回しからでさえも現実感をかき消し、映画全体を実にマンガ然とした雰囲気に落とし込んでいく。

モンキー・パンチ先生もカメオ出演している
山田優さんも出ている。
この山田優さんを見て小栗ルパンが「んん?」となるのは、二人が結婚しているのを知っている人だけが分かる小ネタ。
事情を知らない人々が、映画を深堀りするフックにもなっているような演出だった。

外国の役者さんたちの吹き替えは、とても上手い声優さん・俳優さんたちが担当している。

日本人の役者さんは、全て本人が吹き替えもしているので、ご本人のイメージに少々引っ張られるのも確か。

全てを上手い声優さんで吹き替えてしまうのも、一興ではないかなぁと夢想する。
(もちろんアニメ版のオリジナルキャストとは別の方で。)

願わくは大野雄二さんのテーマ曲バージョンも観たかった。


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本作品の配信情報は2019年11月30日時点のものです。
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原作:モンキー・パンチ「ルパン三世」
監督:北村龍平
脚本:水島力也
撮影:古谷巧
テーマ音楽:布袋寅泰
製作年:2014年