チキ・チキ・バン・バン 映画ネタバレ感想

注意! ネタバレあり〼

原題:CHITTY CHITTY BANG BANG

007シリーズの原作者イアン・フレミングが書いた童話を元にしたミュージカル映画。
音楽やダンスの振付など、「メリー・ポピンズ」のチームが再結集した作品。

チキ・チキ・バン・バンの歌は本当に有名。
たくさんの日本語カバーがあるけど、最近ではハンバートハンバートもオサレな感じでカバーしていて、本当にいい曲なんだなぁと思う。

思わず口ずさんでしまう。

発音的にはチリ・チリ・バン・バンの方が近いけど、チキチキの方が日本語の響きとしては断然カワイイ。
チリチリだと東野幸治さんみたいだし、このチキ・チキが日本人に好かれる要因の一つであることは間違いない。

チキチキマシン猛レースのチキチキもここから採ったそうだ。

参考 チキチキマシン猛レース|キャラクターワーナー公式

オープニングではこういう ↓ 前が長いクラシックカーがいっぱい出て来る。

チキ・チキ・バン・バンクラシックカー
↑ こういう雰囲気のレーシングカー

(全然詳しくないので、あくまでイメージです。)
こういう車が好きな人はオープニングだけでも楽しめそう。

物語の始まりは、カーレースで何度も優勝している名車が、事故で廃車になってしまうところから。
(宮崎駿氏の『マンマユート』のキャラみたいな人がいっぱい居てカワイイ。)

廃車になって放置され、ボロボロになったその車が大好きな幼い兄妹。
車がスクラップにされることを知って、父に買い取ってもらうように頼む。

兄妹のお父さんやおじいちゃんは、まるでモンティパイソンを思わせる出で立ちで登場。
また、登場人物の言葉はイギリス英語で、ディズニー映画の「不思議の国のアリス」を彷彿とさせるものがある。

途中で知り合う社長令嬢ミス・トルーリー・スクランプシャスは、優しくて綺麗で、母親の居ない兄妹は一目で彼女を好きになるが、お父さんとはぎくしゃくしている。
もちろんやがては二人恋に落ち、結婚するのだが。

幼い兄妹が「トルーリー・スクランプシャスは “本当にすてき” という意味の名前」と、実に素直に殺し文句を連発して、ミス・トルーリーに好意を伝えるシーンがとても可愛らしい。

お父さんは紆余曲折あって、お祭り会場でダンスショーに参加することになり、そこで大評判を得てチップをたくさん稼ぐのだが、このダンスショーが秀逸で、とてもオモシロイ
お父さんは振付を知らない前提なので、少しずつ振りがずれていくけど、それが次々つながって流れていく感じ。オモシロイ。見ていて飽きない。

スクラップ寸前のボロ車を買い取ったお父さんは、車をピカピカに磨き上げエンジンを修理する。
大喜びの子供たちとミス・トルーリーを乗せてピクニックへ。
車を走らせていると、エンジンから不思議な音がする。

「・・・チキ・チキ・バン・バン ・・・チキ・チキ・バン・バン」

エンジンが話しているんだとお父さん。
そこであの曲が始まる。
キレイな緑の草原を走り、街を抜けて、歌いながら走る車。
すれ違う人々が手を振ったり、青い汽車と一緒に並んで走ったり、とても楽しい。

ピクニックをしている海辺で船を見かけたことから、お父さんがお話をしてくれる。
架空の国バルガリアの、悪名高きボンバースト男爵に車を狙われるお話。

おじいちゃんが攫われて、車に乗ってバルガリアへ助けに行く。
車には秘密の仕掛けがいっぱいある。
車体下からボートが膨らんできて海の上を走ったり、横から羽が開いて空を飛んだりする。
007っぽい。
ドイツのノイシュバンシュタイン城がバルガリアのお城という設定。
空から撮影されていて、キレイなお城がよく見える。

バルガリア国では、懐中時計を持って急いでいる人が出てくるなど、完全に「不思議の国のアリス」のパロディシーンがあったり、長いおヒゲのおじいちゃんたちが7人で、同じ振付で歌って踊ったりする。
その姿はそれだけで物語が感じられてオモシロイ。
幼い兄妹は囚われるが、バルガリアの子供たちや村人と協力して、悪い男爵をやっつける。

バルガリア人がイギリス人らしくしようと言葉を真似たり、おじいちゃんが ♪ P・O・S・H ポッシュ ♪ と歌っていたり、イギリス英語圏ではない人間には分からない、感覚的な笑いが散りばめられている様子。
私は全く分からないのだが、それでも十分に楽しい映画だから、分かる人だったらさらに違う楽しみもあるんだろうなぁと、ワクワク感と好感度がいや増す洒脱さ。

バルガリアのお話がハッピーエンドの大団円を迎え、帰路に就く一行。
しかし貧乏発明家のお父さんは、お金持ちの令嬢ミス・トルーリーに気持ちを伝えることが出来ないまま。
ちょっぴり残念な気持ちで帰宅すると、お父さんの発明品が大ヒットしてお金持ちになることが分かる。

お父さんはチキ・チキ・バン・バン号でミス・トルーリーを迎えに行く。

実に幸せな、楽しい冒険がいっぱいのミュージカル映画。
古き良き時代の映画ということで実にのんびりした尺なので、時間と心に余裕を持って観ると大変楽しめる作品だ。

主題曲の「チキ・チキ・バン・バン」はモチロンのこと、挿入歌の「ハッシャバイ・マウンテン」もいい曲だった。

“ハッシャバイ・マウンテン” とか “ララバイ・ベイ” とか言葉が素敵すぎる。


DMM.comのDVD宅配レンタルでもあり。
新作はもちろん、旧作・名作をしっかり取り揃えているのはさすが!
「チキ・チキ・バン・バン」ももちろんあります。


原作:イアン・フレミング
監督:ケン・ヒューズ
脚本:ロアルド・ダール / ケン・ヒューズ
音楽:アーウィン・コスタル / リチャード・M・シャーマン / ロバート・ M・シャーマン
撮影:クリストファー・チャリス
製作年:1968年 / イギリス