「ルビーの指環」のあの人は

寺尾聰さんの大ヒット曲「ルビーの指環」を聞くといつも、あの人幸せになってほしい・・・と思う。

あの人とは歌の中に出てくる男性のことである。

男性は2年も元カノを引きずっている。

別れる時に「その指輪、俺に返すつもりなら捨ててくれ」とか「気が変わらないうちに消えてくれ」とか言って斜に構えて、孤独が好き。なんて強がっていたのに、である。

2年過ぎても街なかで別人を見ては、「元カノ!?」ってなってドキッとしている男なのだ。

曲を聞くたびにいつも、この不器用な男の姿が目に浮かぶ・・・

ヨーロッパの夕暮れの街並み

(以下、妄想)

2年経ってようやく元カノのこと整理ついてきたなぁ・・・とか思っていたら、偶然元カノと再会してしまう男。

「久しぶり」

二人は、昔よく行った喫茶店で向かい合い、近況を報告し合う。
笑顔も会話も穏やかな時間が流れる。

(こうやって話していても、俺の心は落ち着いている。やっと、区切りがついた気がするよ・・・)

と思っていた矢先、女は言うのだ

「あの時、あなたが引き留めてくれてたら、私別れなかったわ・・」

「えっ!?」

女は自分の話が終わったら「じゃ、さよなら。」とあっさり帰ってゆく。

何気ない一言で、慌てふためくのは男である。

「えっ!?・・引き留めてたら・・えっ?・・じゃ、今引き留め・・え?・・・えー・・・・・・・・」

さらに2年引きずるかもしれない、優しい男である。

幸せになってほしい。


ルビーの指環

作詞:松本隆 作曲:寺尾聰

名曲。